この事件で命を奪われた犠牲者は、職務を全うしようとした住吉警察署の警察官2名(殉職後昇任)と、行員を守ろうとした北畠支店の支店長および行員の計4名に上ります。何の罪もない若者や市民の未来を無差別に奪った梅川の凶行は、遺族に消えない深い悲哀を残しました。
また、九死に一生を得て生還した人質たちも、長年にわたり重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられました。全裸にされ死の恐怖に晒され続けた記憶は簡単に癒えるものではなく、事件後に退職を余儀なくされたり、精神的ケアを長期にわたって必要とした元行員も少なくありませんでした。
この前代未聞の凶悪事件は社会に強烈な爪痕を残し、1982年には高橋伴明監督、宇崎竜童主演によって映画『TATTOO<刺青>あり』として映画化されました。梅川をモデルとした主人公の刹那的で破滅的な生き様を描いた同作は、当時の日本社会に潜む闇を象徴する作品として大きな話題を呼びました。