ネット上の掲示板やSNSでは「官公庁オークションで消防車やパトカーを買った」「高級ロレックスが安く買えた」という華々しい報告が話題を集める一方で、落札後のトラブルや想定外の出費に頭を抱える参加者の声も少なくありません。
自動車・特殊車両の落札現場で見える落とし穴
公用車や消防車両などの自動車は、走行距離が短く定期点検が自治体によって実施されていた「優良な掘り出し物」が多いのも事実です。しかし、関係者や経験者の証言によると、以下のような注意点が指摘されています。
- 車検切れと陸送費用の負担:出品車両の多くは一時抹消登録(ナンバーなし)や車検切れ状態です。公道を自走して持ち帰ることはできず、落札者が積載車(レッカー)の手配と高額な陸送費用を実費負担しなければなりません。
- 特殊装備の取り外し義務:消防ポンプ車や緊急車両を購入した場合、赤色灯やサイレンの撤去・塗装変更が公道走行の法的必須要件となり、追加の改造費用がかかります。
差し押さえ不動産(公売物件)の現実
裁判所が実施する競売(けいばい)と異なり、税務署や自治体が行う公売では「引渡命令制度」が適用されません。これが公売不動産における最大のリスクです。
建物内に前所有者の私物(残置物)が大量に残されていたり、第三者が不法占拠していたりする場合、行政が立ち退きや荷物の撤去をしてくれることはありません。落札者自らが費用を払って撤去するか、司法手続き(明渡し訴訟)を起こす必要があります。「格安で家を手に入れたと思ったら、残置物処分とリフォームで数千万円の追加出費になった」というケースは珍しくありません。