ナスとトマトを使った料理で味が決まらない最大の原因は、「水分のコントロール」と「油のなじませ方」にあります。ナスはスポンジ状の構造をしているため、そのまま炒めると油を過剰に吸収し、油っぽさの原因になります。一方で、トマトは加熱によって大量の水分を放出するため、全体の味がぼやけてしまいがちです。
レストランの厨房で実践されているナスとトマトの煮込みをプロの味に仕上げる下処理は極めて明快です。乱切りにしたナスにあらかじめ少量の油(小さじ1〜2程度)を全体に絡めておくか、皮目から強火で一気に焼き色をつけて旨味を閉じ込めます。油で表面をコーティングされたナスは、後から加えるトマトの果汁や調味料を適度に吸い込み、驚くほどジューシーかつ濃厚な味わいに仕上がります。
また、トマトは皮の湯むきをするか、ざく切りにして強火で軽く水分を飛ばしてからナスと合わせると、酸味がまろやかな甘みへと変化します。このひと手間で、煮込み料理やソースのクオリティが格段に跳ね上がります。