大会の歴史を語る上で欠かせないのが、数多くの名勝負の舞台となってきた小樽カントリー倶楽部の存在です。石狩湾からの重い潮風と、平坦ながら巧みに配置されたクリークや木々が選手にプレッシャーを与え続けるこの舞台では、数多のニトリレディス歴代優勝者たちが記憶に残る名勝負を演じてきました。
過去には申ジエやアン・ソンジュといった世界水準のショットメーカーがその圧倒的な技術でねじ伏せたかと思えば、原英莉花や稲見萌寧、山下美夢有といった国内トップ選手たちが持ち前の粘り強さを発揮して栄冠を手にしました。当時の特番インタビューや手記において、ある歴代優勝者は「小樽の最終日、1打リードして迎えた18番ホールのティーグラウンドで足が震えたのは生涯で一度きりだった」と述懐しています。公の場で見せた涙の奥には、美しくも獰猛なリンクスコースと対峙した者だけが知る孤独な戦いがありました。
歴代覇者の顔ぶれを見渡すと、単に好調だった選手ではなく、総合的なゴルフ力と強い精神力を兼ね備えた実力者が並んでいます。JLPGA女子ゴルフツアーの歴史において、この大会で勝つことは「真のショットメーカー」としての称号を手に入れることと同義であると言えます。