トランシー伯爵家に仕える執事クロード・フォースタスの正体は「蜘蛛の悪魔」です。黒髪に冷徹な眼差し、細フレームの眼鏡を常に指先で直す仕草が特徴で、主であるアロイス・トランシーの命令を「イエス、ユア・ハイネス」と慇懃無礼に受けて職務をこなします。
カラスを象徴とするセバスチャンに対し、クロードの魔力は蜘蛛の糸や巣を媒介とします。目にも留まらぬ速度で銀食器を操り、強靭な粘着性と切断力を持つ蜘蛛の糸で対象を絡め取る戦術を得意としています。さらに劇中では、唐突に華麗なタップダンスを披露しながら給仕を行うなど、異質でシュールな身体能力も見せつけました。
担当声優を務めたのは名優・櫻井孝宏氏。感情の起伏を極限まで削ぎ落としたバリトンボイスと、欲望を露わにした際のねっとりとした狂気のコントラストが見事に表現されています。特に彼の代名詞となった名言は、トランシー家の歪んだ美学を象徴しています。
「昼を夜に、太陽を月に、怪奇を歓喜に、死者に歌声を。それが、トランシー家の執事」
秩序を反転させ、混沌を愉しむそのスタンスこそが、クロードという悪魔の本質を物語っています。