勝利を収めた久美子氏だったが、待ち受けていたのは過酷な市場の現実だった。会員制の廃止とブランドのカジュアル化は、従来の顧客層を離脱させた一方で、新たな若年層の取り込みには至らなかった。業績悪化の歯止めがかからない中、救済の手を差し伸べたのが家電量販最大手の株式会社ヤマダホールディングスである。
2019年の資本提携を経て推進されたヤマダデンキ完全子会社化プロジェクトにより、大塚家具はヤマダグループの傘下に入ることとなった。久美子氏は社長を辞任。その後、店舗の統合やブランドの再編が進み、独立した企業としての大塚家具はその歴史に事実上の幕を下ろした。日本の家具・インテリア小売業における一つの時代が、静かに終焉を迎えた瞬間である。