ネット上の口コミやザ・ブセナテラス宿泊記ブログを仔細に分析すると、低評価をつけている層には共通したパターンが存在します。それは「老朽化」「虫や湿気」「混雑時のサービス遅延」という3点に集約されます。しかし、これらの指摘を単なる劣化と片付けるのは早計です。そこにはザ・ブセナテラスが掲げ続ける明確な建築思想と、宿泊者側の先入観とのギャップが存在します。
取材に応じたホテル業界アナリストは次のように指摘します。「ブセナテラスは1997年の開業当時から『自然との調和』を標榜し、エントランスから廊下、テラスに至るまで外気を取り込むオープンエア構造を採用しています。最新の鉄壁に囲まれた防音スマートホテルに慣れた層が訪れると、『館内に風が吹き抜けて湿気を感じる』『テラスに小さなヤモリや昆虫が出る』といった点に戸惑い、それがネガティブな評価に転化しやすいのです」。
ザ・ブセナテラスリニューアル現在の状況を追跡すると、ホテル側も手をこまねいているわけではありません。客室の水回りやファブリック、空調設備は段階的に大規模な改修が施されており、2024年から2026年にかけてもテラススイートや一部フロアの床材張り替え、Wi-Fi環境の高速化など現代的な快適性の底上げが図られています。目新しさや未来的ギミックを期待すると肩透かしを食らいますが、年月を重ねたチーク材の飴色や手入れの行き届いた植栽は、新築ホテルでは決して醸し出せない風格を持っています。