駅そのものが持つ建築的価値も見逃せない。現在の駅舎は、JR九州の「ななつ星in九州」をはじめ数々の銘列車や駅舎のデザインで知られる水戸岡鋭治氏がリノベーションを担当した。昭和初期の木造駅舎が持つ温かな面影を残しつつ、現代的なデザイン感覚が絶妙に融合されている。
待合室には木のぬくもりを感じさせる家具が配置され、併設されたカフェでは地元の人々と観光客が自然に言葉を交わす。単なる移動の通過点に留まらない空間づくりが、下吉田駅という場所の深みを増している。富士山を背景にしたノスタルジックなホームの景色は、写真を愛する人々にとっても格好の被写体だ。