発熱を発見した際、最も重要なのは「いま起きている高体温がどのタイプに該当するのか」を正確に見極めることです。風邪、熱中症、こもり熱は一見似通った高体温を示しますが、現れる予兆や身体の反応には明確な違いがあります。
風邪をはじめとする感染症の場合、熱が上がり始める初期段階で悪寒(寒気)が生じ、手足の毛細血管が収縮するため「手足が氷のように冷たくなる」のが最大の特徴です。さらに、鼻水、咳、くしゃみ、喉の痛み、嘔吐や下痢といった局所的な感染症状を伴います。
これに対してこもり熱の主な症状は、顔が赤くほてり、頭や背中、手足の先まで全身が最初からポカポカと熱くなっている点にあります。悪寒による震え(シバリング)はなく、呼吸はやや浅く速くなるものの、呼吸器系の諸症状は見られません。そして、涼しい部屋に移動して衣服を緩めると、30分から1時間程度で急速に平熱近くまで解熱していくのが決定的な証拠となります。
注意を要するのが「こもり熱と熱中症の違い」です。病態としては地続きであり、こもり熱が悪化して重度の脱水や中枢神経症状、臓器不全を併発した状態が熱中症(熱射病)です。「少し熱がこもっただけ」と侮って放置すると、体温が40℃近くまで跳ね上がり、多臓器不全を引き起こす危険領域へと突入します。