長年、札幌市の夜を支配してきたのは間違いなくジンギスカンだった。観光客がこぞって専用鍋を囲む一方で、市民のリアルな日常食として熱烈な支持を集めてきたのは、実は日常のすぐそばにある網焼きカルチャーだ。
煙がもうもうと立ち込める昔ながらの煙突型ロースターから、無煙ロースターを備えたモダンな空間まで。精肉店直営の店が独自のルートで仕入れるホルモンは、驚くほど臭みがなく、噛むほどに澄んだ甘みが広がる。大衆的な大皿盛りから一線を画すカウンター主体の専門店まで乱立し、北の都の肉勢力図は急速に塗り替えられている。