こどもの城の象徴として親しまれたのが、正面広場にそびえ立つ岡本太郎作の巨大モニュメント「こどもの樹」です。多様な表情を持つ子どもの顔が枝のように伸びるこの立体作品は、閉館後も撤去されることなく現地に保存され続けています。青山通りを歩く人々に、かつてこの場所が子どもたちの創造性の拠点であった記憶を今に伝えています。
一方で、演劇界に計り知れない衝撃を与えたのが、併設されていた「青山劇場」と「青山円形劇場」の閉鎖でした。
青山劇場は1,200席規模を誇り、ミュージカルや大型演劇の金字塔となった数々の名作を上演。360度客席が舞台を取り囲む青山円形劇場は、その独自の空間設計から実験的かつ濃密な舞台表現を可能にし、数多くの演出家や俳優を育て上げました。
閉館時には、演劇界の著名人たちが「かけがえのない文化インフラの喪失」を訴え、劇場機能の存続・再開を求める大規模な運動を展開しました。現在進められている再開発検討においても、これらの文化的遺産をどのように継承・活用していくのかが最大の論点の一つとなっています。