地方自治体の中でもとりわけ意欲的な動きを見せてきたのが東京都だ。小池百合子都知事は着任以来、「都道における新設電柱のゼロ化」や既存電柱の撤去を看板政策として強力に牽引してきた。首都直下地震が発生した場合、都心の交通網が麻痺することは自明であり、無電柱化は単なる景観改善ではなく、都市の生命線を維持するための最重要防衛策と位置づけられている。
東京都の最新の都市計画では、再開発エリアだけでなく、古くからの木造住宅密集地域における電線地中化が重点課題として組み込まれた。道路幅が狭いエリアでの電柱撤去は難易度が高いものの、小型化された地上機器の設置スペース確保など、地域住民の理解を得ながら街の防衛力を高める試みが続けられている。