イルカが発する音は、英語圏では主にClicks(クリック音)、Whistles(ホイッスル音)、そしてBurst pulses(バーストパルス音)の3つに大別されます。私たちが水族館などで耳にする「キューキュー」「ピロピロ」という高い笛のような音や、「カチカチ」「ジジジ」という乾いた機械音のような音には、それぞれ全く異なる役割が存在します。
人間が聞き取れる可聴域はおよそ20Hz〜20kHzですが、イルカが駆使する周波数は0.2kHz(数百Hz)の低周波から150kHzを超える極めて高い超音波領域まで及びます。人間が耳にする「キュー」という音はイルカの発する音のごく一部(可聴域に入る成分)に過ぎず、水中では人間の耳では感知できない超高周波の音響空間が広がっています。
英語表現においても、単に「Bark(吠える)」や「Cry(鳴く)」ではなく、クリック音(Clicks)やホイッスル音(Whistles)、きしむような音を指すスクウィーク(Squeaks)、小鳥のさえずりのようなチャープ(Chirps)など、発信形態に応じた精密な動詞が使い分けられています。