この緻密な店舗展開の背景には、株式会社ニトリホールディングスを率いる似鳥昭雄氏の鋭利な経営戦略がある。かつて日本の住宅に「お、ねだん以上。」の革命を起こした同社は、都市部における生活者の行動様式の激変をいち早く見抜いていた。
共働き世帯の増加や単身者の都心回帰に伴い、郊外の大規模店舗へ週末に家族で出かけるモデルだけでは取りこぼしが生じる。そこで打ち出したのが、駅ビルや都心商業施設へ高密度に出店するドミナント戦略だ。生活圏の動線上にデコホームを滑り込ませることで、顧客接点の頻度を劇的に引き上げる。巨大企業でありながら、軽やかかつ貪欲に日常へ潜り込むその手腕は鮮やかというほかない。