国土交通省が推進してきた「ご当地ナンバー」および「地方版図柄入りナンバープレート」は、全国の観光振興や地域振興を目的として導入が進められました。しかしその評判は、地域によって明暗が極端に分かれています。
成功例の筆頭が「富士山ナンバー」です。静岡県と山梨県にまたがる全国初の越境ナンバーとして誕生し、世界遺産の圧倒的なブランド力も手伝って、地元住民だけでなく全国のドライバーから高いリスペクトを集めています。また、歴史的ロマンを感じさせる「飛鳥」や「伊勢志摩」なども好意的に受け止められています。
一方で、課題も浮き彫りになっています。住民への周知不足のまま導入された一部の地域では、「従来のナンバーのほうが重厚感があった」「図柄が細かすぎて遠目から見ると汚れて見える」といった不満が噴出しました。
この問題の本質は、「記号のインフレーション」にあります。地名を細分化しすぎた結果、本来持っていた広域都市のスケール感が失われ、全国的な認知度が低いマイナー地名が量産されてしまった点に、制度設計のジレンマが存在します。