盛岡の至宝・南昌荘の光と影|床もみじの絶景と名画ロケ地の真相

盛岡の至宝・南昌荘の光と影|床もみじの絶景と名画ロケ地の真相

盛岡の至宝・南昌荘の光と影|床もみじの絶景と名画ロケ地の真相に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

この邸宅の歴史は、明治18年(1885年)に遡る。手掛けたのは、岩手県紫波郡出身で「鉱山王」と称された実業家、瀬川安五郎だ。屋敷の名称は、彼が深く敬愛した盛岡出身の先人・板垣退助や南部藩の文人たちが愛でた名峰・南昌山にちなんで名付けられた。

贅を尽くした近代和風建築は、職人の精緻な技が随所に光る。銘木を惜しげもなく配した床の間、繊細な意匠が施された欄間、重厚でありながらどこか軽やかな気品を漂わせる大広間。ここには、平民宰相として歴史に名を刻む盛岡出身の政治家・原敬をはじめ、当時の政財界の重鎮たちが幾度となく出入りした。日本の近代化を推し進めた指導者たちが、この静謐な空間で何を語り、いかなる国家の青写真を描いたのか。床板に残る微かな擦れ跡すら、歴史の証言のように思えてくる。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。