貴景勝が大一番を迎えるたび、テレビ画面の向こうに映し出される一哉氏の姿はファンの間で常に注目の的だった。NHK大相撲中継のカメラが捉えるその表情は、常に厳格で微動だにしない。
また、独自のカメラアングルと臨場感ある演出で人気を集めるABEMA大相撲でも、土俵下の父の存在感は際立っていた。息子の勝利が決まった瞬間も決して派手に喜ぶことはなく、ただ静かに深く頷く。その抑制された佇まいに、視聴者は勝負師としての凄みを感じ取った。
メディアがどれだけ持て囃そうと、父は一貫して黒子に徹し、相撲の主役は息子であるという一線を守り続けた。そのストイックな姿勢が、ネット上での高いリスペクトへと繋がっていった。