ぼんごのおにぎりを語る上で欠かせないのが、代表を務める右近由美子(うこん ゆみこ)氏の存在です。創業者の夫・右近佑氏から受け継いだ伝統に磨きをかけ、一代で全国区のブランドへと押し上げました。メディアや自著でも語られているその最大の秘密は、「おにぎりなのに絶対に強く握らない」という型破りな調理技法にあります。
家庭で作る一般的なおにぎりは、手の中で圧力をかけて三角形に成形します。しかしぼんごでは、特製の木枠(木型)に熱々のご飯をふわりと敷き、たっぷりの具材を中央に配置した後、さらに上からご飯を薄くかぶせ、わずか「2〜3回手元で優しく形を整えて海苔で包むだけ」で完成させます。
米粒と米粒の間に適度な空気の層が残るため、外側はしっかり海苔でホールドされながらも、口に含んだ瞬間に米が自然とほどけていきます。さらに、使用する海苔は香りと歯切れに優れた有明産、米は粒立ちの良い厳選銘柄米、塩はミネラル豊富な天然塩を使用。具材は頭から底までどこをかじっても溢れ出るよう、贅沢に詰め込まれています。シンプル極まりない料理だからこそ、計算し尽くされた配合と職人の手のひらの感覚が、圧倒的な差別化を生んでいるのです。