アプリストアで一時的にランキング上位に入り込んでは削除を繰り返す、いわゆる「音楽ダウンロード無料アプリ」の実態には極めて深刻な危険が潜んでいます。かつて社会問題化した「Music FM」や「MusicBox」の系譜を引くクローンアプリについて、サイバーセキュリティの専門家や捜査機関は警鐘を鳴らし続けています。
違法音楽アプリ危険性として筆頭に挙げられるのが、端末のマルウェア感染と個人情報の抜き取りです。情報通信研究機構(NICT)関連の解析レポートでも指摘されている通り、これら非公式アプリの内部コードには、利用者の連絡先情報、位置情報、閲覧履歴を第三者の不審なアドネットワークへ送信するトラッカーが高確率で仕込まれています。また、執拗に表示される全画面広告を誤タップさせることで、フィッシングサイトや高額な偽サブスクリプション契約へ誘導される被害が後を絶ちません。
法的観点からも看過できません。改正著作権法の施行に伴い、違法にアップロードされた音源であることを知りながらダウンロードする行為は私的使用の範囲外とみなされ、刑事罰(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方)の対象となり得ます。アーティストへの敬意を欠くだけでなく、自分自身の身元や財産を脅かすリスクを冒してまで違法ツールに手を出す行為は、極めてハイリスク・ノーリターンと言わざるを得ません。だからこそ、公式レーベルと正規契約を結んだ無料ミュージックアプリ合法サービスを選ぶことが、最低限のデジタルリテラシーとなります。