計算上は「大人2人+子供3人」の5人乗車が合法であっても、実際の車両構造との間には致命的な矛盾が存在します。軽自動車の後部座席にはシートベルトが2本しか装備されていません。
道路交通法第71条の3では全座席でのシートベルト着用が義務付けられていますが、同法施行令において「座席数を超える人員が合法的に乗車しているためシートベルトが物理的に足りない場合」については、例外的に装着義務が免除されます。同様に、6歳未満の幼児に課せられているチャイルドシートの着用義務も、座席の構造上どうしても固定できない場合は免除規定が適用されます。
しかし、「法律上の免除」は決して「安全の保障」を意味しません。警察庁およびJAF(日本自動車連盟)が実施した衝突安全テストのデータによると、後席シートベルト非装着時の致死率は、正しく装着している場合と比較して約15倍に跳ね上がります。ベルトで固定されていない子供は、時速40km程度の衝突であっても前席シートやフロントガラスに激突し、車外へ放出される危険性が極めて高くなります。