日本料理において、なぜ一般的な亀ではなくカメ目スッポン科であるすっぽんだけが最高級食材として扱われるのかには、明確な肉質と生化学的理由が存在します。
すっぽんと亀 味の比較を行うと、クサガメやミドリガメは筋肉繊維が硬く筋張っており、特有の泥臭さや強い獣臭、アクが肉全体に染み付いています。一般的な亀は骨質甲羅に囲まれた体腔内に脂肪が分散し、泥抜きを何週間行っても臭気成分(ゲオスミン等)を完全に除去することが困難です。
一方、すっぽんは清涼な水と砂泥を好むため、適切な養殖・泥抜き管理を行うことで臭みが極限まで抑えられます。その身は「鶏肉のジューシーさと白身魚の上品な旨味、貝類の濃厚なコクを併せ持つ」と評され、骨や甲羅の縁部からはグルタミン酸やイノシン酸が凝縮された黄金色の出汁が抽出されます。
さらにすっぽん料理 栄養 効能の面でも圧倒的です。甲羅の縁(エンペラ)や皮下組織には良質な天然コラーゲンが凝縮されており、加熱によって極上のゼラチン質へと変化します。体内合成できない必須アミノ酸全9種をはじめ、代謝を助けるビタミンB群、造血作用のある鉄分、活力源となる亜鉛が高濃度に含まれており、古来より滋養強壮・美容の薬膳料理として重用されてきた科学的根拠がここにあります。