バスタイムにおける最大の落とし穴が、使用順序の勘違いだ。結論から言えば、シャンプー後のヘアケア手順における鉄則は「水分を落とす ➔ トリートメント ➔ リンス(またはコンディショナー)」である。
もしリンスを先に塗布してしまうと、配合されたカチオン界面活性剤やシリコーンが髪の表面に油膜を形成してしまう。その上からいくら高級なトリートメントを重ねても、油膜のバリアに阻まれ、内部補修成分がコルテックスまで浸透できない。結果として、高濃度の補修成分は毛髪の表面を滑り落ち、排水口へと流れてしまうのだ。
一方で、両方使う場合の正しい手順を守れば、相乗効果が期待できる。トリートメントによって毛髪内部にアミノ酸やケラチンを補填した直後、上からリンスやコンディショナーを重ねることで、注入した成分を逃さないようキューティクルにフタをする密閉効果が得られる。ただし、近年のトリートメントは表面保護機能を併せ持つ高機能設計が主流のため、必ずしも毎日2本重ねる必要はない。乾燥や広がりが特に気になる日や、毛先のハイダメージ部分にのみ、トリートメント後の「追いコンディショナー」を行うのが現場美容師の推奨するテクニックだ。