なぜ熱狂?韓国ミュージカル『ファントム』豪華キャストと魅力を徹底解説

なぜ熱狂?韓国ミュージカル『ファントム』豪華キャストと魅力を徹底解説

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劇場の客席を揺るがすシンフォニックな旋律と、仮面の奥から溢れ出る慟哭のボーカル。世界中で上演されている数多の舞台芸術の中でも、韓国ミュージカル『ファントム』が放つ引力は別格です。2015年の韓国初演時、開幕と同時にチケット争奪戦が巻き起こり、通算動員数や客席占有率において驚異的な数字を打ち立てました。

この作品をこれほどまでに特別な存在へと押し上げた立役者が、韓国屈指の大型ミュージカルを次々と成功させてきたEMKミュージカルカンパニーです。同社はブロードウェイで生まれたアーサー・コピット(脚本)とモーリー・イェストン(作詞・作曲)による『ファントム』の権利を獲得後、韓国の観客の心情に寄り添うように劇的な演出と壮大な編曲、そして息を呑むほど贅沢な舞台装置を施しました。

特筆すべきは、怪人エリックを単なる「神出鬼没の怪物」として描くのではなく、深い孤独を抱えた「傷だらけの青年」として丁寧に描き出している点です。母親の無償の愛への憧憬、自らの醜い素顔に対する絶望、そしてクリスティーヌという光に出会った瞬間の歓喜と崩壊。人間の最も繊細で生々しい感情の襞(ひだ)を、世界最高水準の歌唱力を持つキャスト陣が余すところなく体現するため、観客は一度客席に座ると物語の濁流に呑み込まれ、涙を拭うことすら忘れて見入ってしまいます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。