芸能界やインフルエンサーの世界において、ムーンフェイスがもたらす最大の苦痛は、肉体的な違和感以上に「無理解による精神的二次被害」です。
SNSやネット掲示板(5ちゃんねる、知恵袋など)を検証すると、治療中の著名人に対して「急激に劣化した」「プロ意識が足りずに太った」「顔にヒアルロン酸を打ちすぎたのではないか」といった心ない書き込みが散見されます。病気と闘い、強い副作用に耐えている最中にこうした言葉を浴びる精神的負荷は計り知れません。
ある膠原病患者の著名人は、当時の手記で次のように心情を吐露しています。
「鏡を見るたびに自分の顔が別人のように丸くなり、首の後ろに脂肪がついていく。外に出るのが怖くなり、人に会うのが恥ずかしかった。それでも薬をやめれば命に関わる。『太ったね』という何気ない一言が、刃物のように心に刺さった。」
ムーンフェイスの最大の特徴は、手足は病気やステロイドの筋萎縮作用によって細く痩せ細っているにもかかわらず、顔と腹部だけが球状に膨らむというアンバランスさにあります。この病態を知らない一般層が「顔だけを見て激太りと決めつける」という構造的誤解が、当事者を深く追い詰める要因となっています。