自家製の保存食を作る際、絶対に軽視してはならないのが衛生面のリスクです。「味噌は抗菌作用があるから常温でも腐らない」と考えるのは極めて危険な誤解です。
厚生労働省や食品安全委員会の公表データが示す通り、生の鶏卵を扱う上で最大の脅威となるのがサルモネラ・エンテリティディス(SE菌)です。味噌の発酵菌や塩分には確かに静菌作用がありますが、卵黄内部まで塩分が十分に浸透して水分活性が下がりきるまでの最初の数時間は、雑菌にとって無防備な状態が続きます。以下の衛生原則を徹底してください。
第一に、使用する卵は「賞味期限内かつ殻にヒビや割れがない新鮮なもの」を厳選すること。割卵直前まで冷蔵庫(10℃以下)でしっかり冷やしておくことが基本です。第二に、調理器具や密閉容器、敷き詰めるペーパー類は清潔なものを使い、手の消毒を徹底します。第三に、仕込み中はもちろん、漬け込み期間中も「絶対に常温放置せず、冷蔵庫(5〜10℃以下)で保管すること」が鉄則です。
気になる日持ち期間ですが、味噌から取り出した後も含めて冷蔵保存で「約3〜5日以内」を目安に食べ切ってください。「漬け物だから1ヶ月持つ」といったネット上の無責任な噂を過信してはいけません。万が一、異臭(酸っぱい匂いや腐敗臭)がしたり、表面に白や緑の斑点状のカビが見られたりした場合は、直ちに破棄してください。