コガネムシ被害の本質は、目に見える地上部ではなく「土の中」に潜んでいます。秋風が吹き始める9月以降、土の中で孵化した幼虫たちは猛烈な食欲で植物の地下部を襲撃し始めます。
コガネムシ幼虫は、植物の細根から主根に至るまで、生きた根っこを片っ端から噛みちぎって捕食します。根を失った植物は水分や養分を吸い上げられなくなり、「水やりをしているのに葉が萎れる」「触ると株全体がグラグラと揺れる」という末期症状を引き起こします。鉢植えをひっくり返してみると、根が一本も残っておらず、丸々と太った数センチの白い幼虫がゴロゴロと20〜30匹も出てくる光景は、園芸家にとってまさに悪夢そのものです。
植え替えの際に白いイモムシ状の幼虫(ジムシ)を見つけた場合、それが益虫のカナブンか害虫のコガネムシかをどう見分けるべきでしょうか。最も確実な判別法は「平らな板や地面の上に置いて歩かせること」です。
- コガネムシの幼虫:短い6本の脚を使い、体を横向きや「つ」の字に曲げながら腹ばいでジタバタと這い進みます。
- カナブンの幼虫:脚をまったく使わず、コロンと仰向けにひっくり返り、背中の毛を波打たせて素早く背這い(せばい)で移動します。
もし背中を使って器用に仰向けで進んだなら、それは土を耕してくれるカナブンの幼虫ですので、腐葉土の山に戻してあげてください。腹ばいで這うものは、植物を破滅させるコガネムシの幼虫です。
コガネムシによる壊滅的な被害を未然に防ぐためには、オルトランによるコガネムシ対策が極めて高い効果を発揮します。浸透移行性殺虫剤である「オルトランDX粒剤」は、土に散布して水を与えることで有効成分が根から吸収され、植物体全体に行き渡ります。根を食べた幼虫や、葉をかじった成虫の神経伝達を遮断し、効率的に駆除することが可能です。
散布の黄金期は、成虫が産卵を開始する6月から、幼虫の活動が活発化する9月〜10月です。あらかじめ用土1リットルあたり数グラムを均一に混和しておくか、株元に規定量を追肥感覚で散布します。加えて、成虫に土へ潜り込ませないよう、ココヤシファイバーや専用の不織布マルチシートで鉢土の表面を隙間なく覆う物理的防除を併用することで、被害発生率を限りなくゼロに抑え込むことができます。