華々しい数字が報じられる裏側で、長年タブー視されてきたのが「低視聴率打ち切りの真相」です。韓国のドラマ制作現場は極めてシビアな商業主義で動いており、過去の地上波全盛期には、視聴率が3%未満に低迷したドラマが当初予定されていた16〜20話の構成を急きょ12〜14話に短縮され、事実上の強制終了に追い込まれる悲劇が散見されました。
放送関係者の証言によると、韓国のテレビ局は放送直前まで脚本執筆と撮影を並行させる「生放送体制」を長年採用してきたため、視聴率が振るわない作品はスポンサーの広告引き上げに直面し、赤字拡大を防ぐためにストーリーを強引に完結させざるを得なかった背景があります。
しかし、近年の「ネットフリックス配信と視聴率の影響」が、この力学を根底から覆しました。現在の大規模制作ドラマは、1話あたりの制作費が数十億ウォン、総制作費が300億〜500億ウォン(約35億〜60億円)規模に達することが珍しくありません。この莫大なコストを韓国内のテレビ広告費だけで回収することはもはや不可能です。
スタジオドラゴンをはじめとする大手制作会社は、放送開始前にNetflixなどのグローバルOTTへ海外放映権を先行販売し、放送前に制作費の大部分をリクープ(回収)するビジネスモデルを確立しました。その結果、たとえ韓国内のテレビ視聴率が3〜5%前後にとどまったとしても、グローバル配信ランキングで上位に入れば「興行的な成功」とみなされる時代へ突入したのです。国内の低視聴率を理由にした理不尽な打ち切りは激減し、クリエイターが作家性を貫ける環境が整いつつあります。