「フリーウェイトエリアは威圧感があって近寄りがたい」「マッチョな人たちが占拠していて順番を待つのが気まずい」——。大手フィットネスクラブの利用者を対象にした意識調査やSNS・質問投稿サイトの生の声を見ても、初心者が抱く心理的ハードルの高さは根深い。
取材に応じた都内24時間ジムの現役チーフトレーナーは、現場の空気感を次のように述懐している。
「入会して数ヶ月で退会してしまう方の多くは、マシンの使い方が単調になり、効果の実感が薄れて飽きてしまうケースです。逆に、初期段階でフリーウェイトの面白さに触れられた方は、重量が伸びる過程そのものがゲームのように楽しくなり、定着率が著しく高くなります。周囲の視線を気にする方が非常に多いのですが、実際のところ熟練者は自らのセットとインターバルのタイマーに集中しており、他人の挙動を品定めするような余裕はありません。初心者だからと怖がる必要はまったくありません」
大手ネット掲示板やコミュニティでの体験談でも、「最初は恥ずかしかったが、パーソナルトレーニングで1回だけBIG3の基本フォームを習ってから世界が変わった」「マシンのレッグプレスで扱っていた重量と、バーベルスクワットの重さの違いに衝撃を受け、それ以来体幹が引き締まった」という実感が多数を占めている。敷居の高さは心理的な錯覚に過ぎず、正しいルールとマナー(使用後の器具のアルコール消毒やバーベルのカラー止め、器具の静かな扱い)さえ遵守していれば、すべての会員に等しく開かれた場である。