神田駿河台・御茶ノ水エリア一帯では、近年、大学キャンパスの再編や老朽ビルの共同建て替えなど、都市再生に向けた動きが活発化しています。この地域的な地殻変動が、「三井住友海上が駿河台から完全移転するのではないか」という憶測を加速させました。
しかし、関係者への取材や業界内の動向を総合すると、「駿河台という伝統的な拠点そのものを完全に手放すわけではない」という実態が浮かび上がってきます。
三井住友海上およびMS&ADグループにとって、駿河台は旧住友海上時代から続くアイデンティティの根幹です。検討されているシナリオの主軸は、完全な撤退ではなく、「本館の将来的な建て替えを見据えた新館への機能集約」や「資産の証券化による調達資金を活用したスマートビル化」です。御茶ノ水駅前再開発(バリアフリー化や駅前広場整備)の完了に伴い、駿河台新館の交通利便性は過去最高水準に達しており、アクセスの良さを放棄して遠隔地へ全面移転する合理的理由は極めて低いとみられています。