伊勢佐木長者町の名前を耳にした際、多くの人が思い浮かべるのが近隣のディープな歓楽街です。特に駅から西側に位置する曙町エリアは、古くからの風俗街やバーが密集する地域として知られており、ネット掲示板やSNSでは「夜に出歩くのが怖い」「外国人が多くて独特の雰囲気がある」といった書き込みが目立ちます。伊勢佐木長者町の曙町側の治安について懸念を抱くのは無理もありません。
しかし、神奈川県警察が公表している犯罪統計データを細かく読み解くと、実態はイメージと大きく異なります。凶悪犯罪の発生率は年々低下傾向にあり、街頭防犯カメラの増設や地域パトロールの強化によって、一般の歩行者が巻き込まれる重大事件は極めて稀です。街で発生している事案の大半は、繁華街特有の客引きトラブルや深夜の酔客同士の口論、あるいは駅周辺での自転車盗難といった非侵入窃盗が占めています。
現地を歩くとすぐに分かりますが、伊勢佐木長者町の治安は「通りの1本違い」で空気が劇的に一変します。駅直上に広がる緑豊かな大通り公園沿いや、官公庁街が広がる関内方面へ向かう東側のエリアは、日中から夜間に至るまで穏やかな住宅街・オフィス街の佇まいを見せています。歓楽街のイメージだけで街全体を敬遠してしまうのは、都市構造のリアルを見落とした判断と言わざるを得ません。