軽量鋼矢板の全真相|重鋼矢板との違いと規格寸法・最新相場を徹底解説

軽量鋼矢板の全真相|重鋼矢板との違いと規格寸法・最新相場を徹底解説

軽量鋼矢板の全真相|重鋼矢板との違いと規格寸法・最新相場を徹底解説に関する主要なデータを丁寧に解説いたします。

土木工事の仮設工や水路工事を計画する際、最初に直面するのが「軽量鋼矢板」と「重鋼矢板(普通鋼矢板・広幅鋼矢板など)」の選定判断です。両者の最も根本的な差異は、製造工法と板厚、そして断面剛性にあります。

通常の重鋼矢板(SP-II型、III型、IV型など)は、高炉や電炉から熱間圧延(ホットロール)によって一体成形され、板厚は9.0mm〜15.5mm以上に達します。一方、軽量鋼矢板は厚さ3.5mm〜6.0mm程度の高張力鋼板を冷間ロール成形(コールドフォーミング)して製造されます。この肉厚の差が、部材の単位質量と断面性能に直結します。

設計上の最重要指標である軽量鋼矢板の許容曲げモーメントは、重鋼矢板と比較して格段に小さくなります。例えば、一般的な重鋼矢板(SP-III型)の断面係数が1本当たり1,340cm³/mクラスであるのに対し、代表的な軽量鋼矢板(LSP-2型や3型など)の断面係数は80〜220cm³/m程度にとどまります。このため、作用する側圧(土圧・水圧)が大きくなる深層掘削(5m以上)や、強大な残留水位差が生じる大規模河川本川の締切りには重鋼矢板が必須です。

反面、掘削深さが2m〜4m程度の小規模開削では、重鋼矢板は過剰設計となりがちです。軽量鋼矢板を採用することで、鋼材総重量を約60〜70%カットでき、材料費のみならず大型クレーンや大型バイブロハンマが不要になるという圧倒的な経済的メリットが生じます。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。