寺のすぐそばに広がる並滝寺池のほとりには、古くから湯治場として親しまれてきた並滝寺温泉が湯煙を上げる。ラドンを豊富に含む天然ラジウム温泉は、浸かった瞬間に肌へ吸い付くような柔らかい湯触りが特徴で、古くは農閑期の農民たちの疲労回復の場として重宝されてきた。
いま、この素朴な温泉地に新たな息吹が吹き込まれている。湖を一望できるロケーションを活かした温冷交代浴や、地元のヒノキ材を贅沢に使ったフィンランド式サウナの導入など、伝統的な湯治文化と現代のウェルネスが絶妙なバランスで融合し始めた。早朝の座禅で精神を研ぎ澄まし、昼下がりには薬効豊かな湯に身を委ね、夕暮れには湖面を赤く染める夕日を眺めながら地元野菜を味わう。訪れた人々は、数日間の滞在で心身のチューニングが整っていくのを実感するという。