和製コロンボと称されながらも、全く新しいタイプの捜査官像を打ち立てたのが、主演の田村正和だ。黒のロングコートに身を包み、自転車で現場に現れる。拳銃を持たず、暴力も振るわない。警視庁捜査一課の警部補という立場にありながら、その立ち振る舞いは極めて異端であった。
従来の刑事ドラマ像を覆したこのキャラクター設計こそ、ヒットの最大の原動力だ。犯人を追い詰める際の独特の語り口、眉間に手を当てる仕草、そして時に冷徹でありながらお茶目な一面。田村正和という名優の持つ気品とユーモアが合体したことで、唯一無二の主人公が誕生した。