SNS上では、ダム湖の干上がった湖底や立ち枯れた木々、旧道の橋脚が露出した写真が投稿されるたびに、「東京の水がなくなる」「明日から給水制限か」といったセンセーショナルな言説が拡散します。こうした首都圏給水制限ネットの反応を検証すると、過去の渇水トラウマが人々の心理に根強く残っている実態が浮き彫りになります。
振り返れば、利根川水系渇水対策本部の設置経緯として記憶に新しい2016年や2023年の夏、矢木沢ダムの貯水率は一時10%前後にまで落ち込み、利根川水系で10%の取水制限が実際に発令されました。当時、メディアが一斉に「首都圏の水がめ危機」と報じたため、蛇口をひねっても水が出なくなるのではないかという恐怖が広まりました。
しかし、自治体の水道担当者やインフラ専門家が指摘するように、河川法に基づく「取水制限」と、住民の生活に直接打撃を与える「給水制限(減圧給水や時間断水)」の間には巨大な壁が存在します。10%程度の取水制限であれば、各自治体が保有する浄水場の調整池運用や地下水の活用、ダム間の融通によって吸収できるため、一般家庭の蛇口から出る水が止まる事態には至りません。ネット上に流れる極端な煽り情報と、現実のインフラ耐久力との間には明らかな乖離が存在しています。