過マンガン酸カリウム滴定の謎!硫酸を使う理由と半反応式を徹底解説

過マンガン酸カリウム滴定の謎!硫酸を使う理由と半反応式を徹底解説

過マンガン酸カリウム滴定の謎!硫酸を使う理由と半反応式を徹底解説の特集記事を解説します。専門的な知識がチェックできます。

酸化還元滴定の実験手順において、過マンガン酸カリウム水溶液に希硫酸を加えて酸性にする操作は鉄則です。なぜ塩酸や硝酸では代用できないのか、その決定的な理由は副反応の有無にあります。

第一に、塩酸が使えない理由は、塩酸に含まれる塩化物イオン(Cl⁻)が還元剤として働いてしまう点にあります。強力な酸化剤であるKMnO₄がCl⁻を酸化してしまい、有毒な塩素ガス(Cl₂)が発生するとともに、測定対象の物質以外にKMnO₄が消費されて測定値に重大な狂いが生じます。

第二に、硝酸が使えない理由は、硝酸(HNO₃)自体が強力な酸化剤だからです。測定対象である還元剤(例えばシュウ酸や鉄(II)イオン)を硝酸が酸化してしまい、本来滴下するはずのKMnO₄溶液の必要量が減少して正確な定量が不可能になります。

これに対し、硫酸(H₂SO₄)中の硫黄の酸化数はすでに最高の+6であり酸化剤として働かず、常温・希薄状態では還元性も示しません。したがって、測定の邪魔を一切しない希硫酸だけが唯一の選択肢となります。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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