直前開放によって車いす対応座席を確保できた場合でも、一般の座席とは異なる環境であることを自覚しておく必要があります。以下の3点は、乗車前に必ず理解しておくべき実質的なガイドラインです。
第一に、乗降時の動線妨害を避ける配慮です。11号車の乗降口付近や通路は、車椅子が旋回・通行できるよう通常より広く設計されています。足元が広いからといって通路側にキャリーケースや手荷物を大きくはみ出して置く行為は、車椅子利用者の通行を物理的に遮断するため厳禁です。
第二に、緊急時における乗務員からの席移動要請への協力姿勢です。極めて稀なケースですが、ダイヤの乱れ等で直前に車椅子利用者の振替乗車が発生した場合、車内改札時に車掌から座席移動の協力を打診される可能性があります。制度上、正規に購入した指定席であっても、公共交通のユニバーサルデザインの精神に基づき、柔軟に応じる心の余裕を持つことが望まれます。
第三に、多機能トイレ周辺の占有回避です。11号車のデッキには大型の多機能トイレが隣接しています。洗面台や通路付近で長時間電話をしたり、立ち話をしたりして車椅子の進入経路を塞がないよう配慮することが現場での基本マナーです。