Webマーケティング会社や制作プロダクションの現場からは、フリー素材の選定ミスに起因するトラブル事例が後を絶ちません。知恵袋やSNS、業界コミュニティで実際に報告されているトラブル事例を検証すると、共通する3つの落とし穴が浮かび上がってきます。
「無料素材サイトからダウンロードした本アイコンを企業のシンボルマークに組み込んで商標登録を出願したところ、サイト側から利用規約違反で訴告された」というケースは典型的な盲点です。ほぼすべてのストック素材サイトは、素材そのものや素材をメインとしたロゴの商標登録を固く禁じています。素材の独占所有権は発生しないため、コーポレートアイデンティティへの流用は厳禁です。
また、広告代理店の制作進行担当者は次のように証言しています。
「クライアントのパンフレット制作で定番素材集から25点のイラストを配置した際、商用無料の点数上限(20点)を失念しており、納品直前のチェックで発覚。急遽5点を有料ライセンスに切り替える追加費用が発生し、社内稟議に追われました。無料だからと気軽に組み合わせると、規定点数のカウントで足元をすくわれます」
さらに、近年急増しているのが「AI生成素材サイト」に混入した権利侵害のリスクです。一見すると完全オリジナルの素材に見えても、学習元となった特定クリエイターの著作権や登録商標が背景の装飾に残存しており、知らずに使った側が責任を問われる事態も現実に起きています。素材元の身元が不確かなプラットフォームからの取得は避けるのが賢明です。