浴衣を脱いだ直後、すぐにたたんでタンスへしまおうとするのは避けてください。夏の夜を過ごした浴衣の内部には、コップ1杯分以上の汗と体温がダイレクトにこもっています。湿気と熱を抱えたまま折りたたんでしまうと、繊維に強烈なシワが定着するだけでなく、数カ月後のカビや繊維の黄変(酸化汚れ)を引き起こす致命的な原因になります。
帰宅したら、まずは和装用ハンガー(着物ハンガー)に掛け、直射日光の当たらない風通しの良い室内で最低でも半日から一晩陰干しを行います。専用のハンガーがない場合は、バスタオルを巻き付けた洋服ハンガーで代用し、肩のラインに不自然な跡がつかないよう配慮してください。帯や腰ひもも同様にハンガーへ掛け、汗をしっかり逃がします。
この「汗抜き」を行わずにしまい込み、翌シーズンに広げてみたら襟周りが茶色く変色して処分せざるを得なくなったという失敗談は非常に多いです。たたむ作業は、生地が完全に冷え、湿気がしっかり抜けてから行うのが絶対のルールです。