毎年の健康診断シーズンになると、SNSや大手Q&Aサイトでは「尿素窒素だけが基準値をオーバーしてC判定だった」「腎不全で人工透析になるのかと眠れない」といった切実な投稿が急増します。実際に医療機関の外来現場でも、判定結果のアルファベットだけに怯えてパニック状態で駆け込んでくる受診者が後を絶ちません。
しかし、ネット上で囁かれる「尿素窒素の上昇=即、重大な腎臓病」という言説は完全な誤解です。臨床現場での検証データを紐解くと、BUN単独の上昇で受診した人の実に6〜7割近くが、採血当日の水分不足や前夜の激しい筋トレ、焼き肉食べ放題や高濃度プロテインの大量摂取といった一過性の生活習慣に起因しています。
もちろん、数値を軽視して放置することは厳禁ですが、「BUNが高い=腎臓が完全に壊れた」と短絡的に絶望する必要はありません。クレアチニンやeGFR(推算糸球体濾過量)、尿タンパクの結果を突き合わせ、総合的に判断することが極めて重要です。