LIP CREAMは1990年、ファンの惜しむ声に包まれながら解散を迎えました。ネット上では「メンバー間の深刻な対立」「暴力トラブル」といった過激な噂が囁かれることもありますが、取材や過去のメンバーインタビューを総合すると、真相は音楽的な成熟とバンドのエネルギー飽和にありました。
80年代後半、LIP CREAMは『KILL UGLY POP』『LIP CREAM (3rd)』『CLOSE TO THE EDGE (危機)』といった傑作アルバムを立て続けに発表しました。初期のストレートなスラッシュ・ハードコアから、後半はプログレッシブやメタル、ハードロックの要素をも飲み込んだ高度なアンサンブルへと急激な進化を遂げていきます。
音楽性が極限まで研ぎ澄まされた結果、メンバーそれぞれの目指す表現がバンドという枠組みを超えていきました。NAOKI氏はその後メジャーシーンも含めた多彩なロックバンドで活躍し、PILL氏やMINORU氏も独自の音楽活動を展開しました。常に全開のテンションでステージに立ち続けた4人が、バンドとしての必然的な寿命を察知し、美しく幕を下ろしたというのが解散の客観的な真実です。