多くのリスナーを惹きつけてやまないのが、『忘れじの言の葉』の歌詞の意味に対する深い考察です。曲中に登場する言葉の数々は、失われていく記憶や、たとえ世界から忘れ去られようとも確かにそこに存在した想いを丁寧にすくい上げています。
『グリムノーツ』の世界観において、運命から外れた存在は忘れ去られるリスクを背負っています。しかし、「忘れじ(決して忘れない)」という強い否定の古語がタイトルに冠されている通り、歌詞には「運命に抗い、大切な人との記憶や約束を言の葉(言葉・物語)として遺し続ける」という不屈の誓いが込められているのです。
さらにファンの探究心を刺激しているのが、楽曲の導入部や間奏に散りばめられた架空言語(造語)の読み方・ふりがなと解釈です。一見すると北欧諸語やケルト民謡の響きを持つこの造語パートは、特定の言語に縛られない幻想的な世界観を構築するために生み出されたもの。リスナーそれぞれの心象風景に寄り添うように設計されており、公式が過度な直訳をあえて提示しないことで、聴く人それぞれの「失われた物語」を想起させる余白を残しています。