遊具の賑わいから少し足を伸ばすと、静寂に包まれた歴史の気配に出会う。かつてこの地は、一面の不毛な原野だった。水利に乏しく「鳥も通わぬ那須野が原」と恐れられた大地を拓いたのが、明治の先覚者たちである。なかでも地元の豪商・政治家として那須野が原開墾事業に私財を投じ、日本三大疏水の一つ「那須疏水」の開削を推し進めた矢板武の功績は大きい。
緑あふれる園内の水路や樹林帯を散策していると、先人たちが流した汗と執念が豊かなランドスケープの土台になっていることに気づかされる。遊びの合間にふと足を止め、案内板に記された開拓の歴史に目を通す。すると、目の前に広がる青々とした芝生が、まるで奇跡の結晶のように見えてくるから不思議だ。