桜の花びらがまるで着物の衿のように大仏の肩を包み込む様子から、いつしか親しみを込めて「桜大仏」と呼ばれるようになった。この絶景が世界規模で認知された背景には、映像共有プラットフォームのYouTubeやInstagramなどで投稿された数々の動画や写真が存在する。幾重にも重なる満開の薄ピンク色の隙間から穏やかな尊顔をのぞかせるダイナミックな画角は、海外のアジア系旅行者や写真愛好家の心を鷲掴みにした。
この反響は現地の観光業にも大きなインパクトをもたらしている。かつては参拝者の多くがシニア層の巡礼客であった伝統的な仏教寺院に、いまやカメラを構えた若者や多国籍な旅行者がひっきりなしに足を運ぶ。伝統的な信仰空間と現代のSNSカルチャーが交差することで、新旧の参拝体験が見事な熱量で混ざり合っているのだ。