損害賠償額の算定において、保険会社側が強く争ってくるのが交通事故の過失割合です。妊婦が運転していたケースや同乗していたケースにおいて、妊娠による注意力の低下やシートベルトの非着用を理由に、過失相殺(賠償額の減額)を主張される局面が散見されます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
インターネット上では「妊娠中はシートベルトをしなくても違反にならないため、事故時に減額されない」という誤解が一部で見られます。道路交通法施行令上、妊娠中の体調不良時等における着用免除規定は存在するものの、民事裁判における過失割合の判断は別問題です。
日本産婦人科学会および警察庁が推奨する「妊婦用シートベルトの正しい着用方法(肩ベルトを胸の間から脇に通し、腰ベルトをお腹の高まりを避けて恥骨結合付近の骨盤に低く通す)」を怠っていた場合、損害拡大の寄与分として過失相殺が適用され、示談金相場から10〜20%減額されるリスクが存在します。