メディア向けには華やかに映る作戦名ですが、現場でタスキをつなぐ選手たちはこれをどう受け止めているのでしょうか。歴代のOBや現役部員たちの手記、インタビューから生々しい実態が見えてきます。
初優勝時の主将や主力選手たちが後に語った回想によると、2015年に初めて「ワクワク大作戦」を聞かされた際、選手ミーティングでは「監督、本気ですか?」と失笑が漏れたといいます。当時の駅伝界は「ストイックに耐え忍ぶ」「伝統の重圧を背負う」ことが美徳とされており、ポップな言葉を使うこと自体に抵抗感があったのが正直なところでした。
しかし、実際にレースが始まり、沿道の大観衆から「青学、ワクワクしてるか!」「ワクワク走れ!」と声援が飛んだ瞬間、選手たちの認識は激変しました。応援そのものが作戦名とリンクし、走っている自分たちが時代の主役に押し上げられている高揚感を全身で実感したのです。
SNSやネットコミュニティ(Xや駅伝ファン掲示板)の声を見ても、2015〜2016年頃は「伝統ある箱根をバラエティ化している」といった批判的な書き込みが一定数存在していました。しかし、圧倒的なタイムで歴代新記録を更新し続ける青学大の強さを前に、そうした批判は完全に沈黙。「今年はどんな名前で来るのか」「原監督の言葉選びはビジネスにも通じる」と、毎年12月の風物詩として心待ちにされる文化へと定着しました。