助数詞の用法に関して、近年SNSやネット検索で頻出しているのが大人気作品『鬼滅の刃』に登場する最高位剣士「柱(はしら)」にまつわる疑問です。「作中の柱を『一柱』と数えるのは日本語として正しいのか」という声が若年層を中心に多く見られます。
実態を言語学的に検証すると、作中における「柱」は組織を支える要としての役職名・称号であり、人間を指す言葉です。本来、生きている人間に対して助数詞の「柱」を用いることはなく、伝統的な日本語の文法上は「1人、2人」または「1名、2名」と数えるのが正確です。ただし、作品の世界観において「人を超越した神格に近い守護者」という比喩表現として「一柱」と表現されることは、文芸的演出として成立しています。
また、日常生活の法要現場でも誤解が散見されます。葬儀社や寺院のアンケート調査によると、位牌を新調する際に「1枚」「1個」と注文して僧侶から作法を指導されるケースが後を絶ちません。魂入れ(開眼供養)を行う前の位牌は「一基」、供養を終えて故人の魂が鎮座した後は「一柱」または「一霊」と数えるのが礼儀にかなった立ち振る舞いです。