外装や内装の表面的な傷みから「家の寿命が短いのではないか」「早くに建て替えが必要になるのではないか」と懸念する声もありますが、建築構造の観点から見れば、その心配は杞憂に過ぎません。
無印良品の家は、全棟で耐震等級3(最高等級)を標準とし、強固な構造計算に基づいた「SE構法(重量木骨構造)」を採用しています。柱と梁を専用の金物で強固に接合するラーメン構造であり、構造躯体(スケルトン)自体の物理的寿命は数十年から100年レベルの耐用年数を想定して設計されています。
さらに、構造体と内装・間仕切り(インフィル)を完全に分離する「スケルトン・インフィル思想」が貫かれています。これにより、将来的に家族構成が変わった際も、建物を解体・建て替えすることなく、壁の位置を変えたり水回りを更新したりすることが容易です。
つまり、表層の無垢材やデッキが風化したからといって、家自体の安全性能や寿命が損なわれるわけではありません。建物の「骨組み」は最高峰の堅牢さを誇りながら、外部の「皮膚」に手を入れることを前提とした、欧米のロングライフ住宅に近い哲学を持っているのです。