実際に年金相談窓口や当事者たちの証言を検証すると、過去の埋もれた記録が掘り起こされた瞬間の劇的な現実が見えてきます。都内在住の70代男性は、当時の心境を専門誌の手記で次のように振り返っています。
「20代の頃に5年間だけ勤めて倒産した中堅商社のことなど、半世紀近く完全に忘れていました。定年後、知人に勧められて企業年金連合会に照会票を送ったところ、解散した基金から引き継がれた記録が残っており、過去数年分の未受給金が一括で振り込まれました。通帳の数字を見た時は足が震えました」
SNSやネット掲示板(知恵袋・5ch等)を調査しても、「親の遺品整理をしていたら古い年金手帳が出てきて、照会したら企業年金の受給権が見つかった」「わずか3年の勤務でも月々1万円強の上乗せが確定した」というリアルな体験談が数多く投稿されています。一方で、「通知が実家の旧住所に届いており、宛所不明で返送されていたため、65歳を過ぎても受給できずにいた」という悔恨の声も少なくありません。
筆者が社会保険労務士などの実務家に取材を行った際も、「公的年金の手続きだけで満足し、企業年金連合会への受給資格確認を怠っている相談者が後を絶たない。特にバブル期前後に転職を繰り返した世代は、ほぼ確実に未請求の資産をどこかに残している」と現場のリアルな盲点を指摘していました。