経済苦や多重債務問題に詳しいファイナンシャルプランナーや、クレジットカードの債権回収実務に携わった関係者への取材では、当事者たちが直面する過酷な現実が浮き彫りになります。現場の証言から見えてくるのは、本人が「まだ大丈夫」と楽観視している段階で、水面下の信用評価はすでに崩壊しているというギャップです。
大手信販会社で長年リスク管理を担当していた関係者は、次のように語ります。
「利用者が最も誤解しているのは、『A社のカード代金を払うために、B社のカードでキャッシングしたり換金性の高い買い物をしたりする行動』を、私たちが把握していないと思い込んでいる点です。CICの途上与信データを定期照会すると、他社での借入件数が短期間で跳ね上がっていたり、他社で延滞マークがついたことは一目でわかります。自社でどんなに優良な利用を続けてくれていても、他社で破綻の兆候が見えた顧客の利用枠を一気にゼロまで引き下げるのは、貸し倒れを防ぐための鉄則です」
また、実際に連鎖停止を経験した30代会社員の手記には、日常が一変した恐怖が生々しく綴られています。
『メインのカードで携帯代金の引き落としが数カ月滞り、督促状が届いていました。それでもサブで持っていた流通系カードは普通に使えていたので高を括っていたんです。しかしある週末、スーパーのセルフレジでサブカードを出したらエラーコードが出ました。アプリを開くと、利用可能枠が50万円から突如として「0円」に変更されていた。さらに数日後にはETCカードもゲートで開かなくなりました。ETCや家族カードが本会員のカードに紐づいて発行されている以上、親元の信用が落ちれば同時に全て使えなくなるという当たり前の事実に、その時初めて気付かされました』
Webメディアや決済情報サイトの検証調査でも指摘されている通り、本会員カードの利用停止は、ETCカードや家族カードといった追加カードの即時機能停止を直結して引き起こします。高速道路のETCレーンでの急停止など、物理的な重大事故リスクすら孕んでいるのです。