現在、全国で最も面積が小さい都道府県は香川県(約1,877㎢)です。しかし、昭和の時代に義務教育を受けた世代の中には「日本一小さい都道府県は大阪府」と記憶している人が少なくありません。この認識のズレは記憶違いではなく、昭和の終わりに起きた歴史的な順位逆転が原因です。
事実、1988年(昭和63年)9月まで、全国最小の自治体は大阪府でした。当時の大阪府の面積は約1,868㎢、香川県は約1,876㎢であり、わずか8㎢前後の差で大阪府が最下位に甘んじていたのです。
状況を一変させた決定打が、泉州沖で進められた関西国際空港の人工島造成工事をはじめとする大規模な臨海部埋め立て事業でした。国土地理院が1988年10月に発表した面積調において、埋め立て地の拡張が公認された結果、大阪府の面積が香川県を上回り、順位が逆転。それ以降、香川県が47位、大阪府が46位という構図が完全に定着しました。
香川県が元々これほどコンパクトな形状をしている背景には、讃岐山脈に抱かれた平野部と島嶼部を中心に、明治期の廃藩置県を経て早期に領域が確定した地理的要因があります。県内に険しく広大な奥山が少なく、可住地がまとまっているからこそ、総面積としては最小サイズに収まっているのです。